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【家族関係】毒親と縁を切りたい|自分の生活を守るためにできること

ど〜も!行政書士の大川です。

数年前からよく耳にするようになった「毒親」という言葉。
毒になる親、という意味ですが、我が家も少しだけ心当たりがあります。

私の母は、私の幼少期(母が30~40代の頃)、とても気性が荒く、破天荒な人でした。

今日めっちゃ優しいな?という日
今日大人しくしてないとダメだ…という日
今日は何話しかけても無視されるな…という日

それが日替わり定食のように繰り返される日々。
母の顔色をうかがい、大人が思う「いい子」を演じる。
それが私の記憶にある幼少期です。

母は少々浮ついた人でもありました。
幼い私を置いて夜出歩く、同居している祖父の食事や洗濯などを全て私に任せて交際相手と旅行に行く、全然家に帰って来ない…
というのはよくありました。

中学生頃になっても相変わらず母の気性は荒く、

「あんたを殺して私も死ぬ!」

と言いながら、私を乗せた車ごと山に突っ込もうとしたり、家に火を点けようとしたこともありました。
窓からテレビを投げ捨てられたこともありましたね…

とはいえ、穏やかなときの母はめちゃめちゃ面白い人でしたし、奔放で天真爛漫で、女性としてはとても魅力的な人だったと思います。
でもずっと一緒にいるのはしんどい!

私はそんな母から逃げたくて、高校3年生で中退したあと、適当に知り合った年上の男性と結婚しました。
自分で新しい家庭を作れば、もれなく幸せになれると思っていたのですね。
若かったな〜!
当たり前にそんな結婚生活は上手くいかず、22歳で離婚をし、今に至ります。

「毒親」という言葉に明確な定義があるわけではありません。
ただ、親との関係によって傷付き、

「もうこれ以上関わりたくない」
「親から離れて暮らしたい」

と感じている方は、決して少なくないのではないかと思います。
私よりももっと過酷な環境下で育った方もいるでしょう。
一方で、

「自分の親は毒親なのだろうか…」

と悩みながら、親との関係に苦しんでいる方もいると思います。

そして、「もう親と関わりたくない」と思ったとき、多くの方が考えるのが
「どうやって親と縁を切ればいいの?」
ということではないでしょうか。

ところが、法律上、親子関係そのものを消すことはできません。
この親の子として生まれたという法律上の関係を、自分の意思だけで消すことはできないのです。

だからといって、何もできないのかと絶望するには早すぎます。
そんなことはありません。

・戸籍をどうするか
・住所を知られないために何ができるか
・住民票等の閲覧・交付に関する支援措置は利用できるのか
・連絡をどう断つのか

「親子の縁を切る」というより、親から自分の生活を守るためにできることはいくつかあります。
今回は、行政書士としてお手伝いできることも含めて、整理してみたいと思います。

まず、「親と縁を切る」とはどういうことでしょうか。
「法律上の親子関係をなくすこと」と「実生活で関わらないこと」というのは、全く別のことです。
たとえば、

・親と連絡を取らない
・会わない
・住所や連絡先を教えない
・電話やLINEをブロックする

こうしたことは、法律上の親子関係が残っていてもできます。
親から物理的な距離を取ることで、今感じているストレスや苦痛を減らすことができるかも知れません。

「親と同じ戸籍にいたくない」
という場合には、「分籍」という選択肢があります。

分籍とは、現在の戸籍から抜けて、自分を筆頭者とする新しい戸籍を作る手続きです。
役所で「分籍届」というものを提出します。
成人している方であれば、どなたでも手続きできます。

ただし、ここで注意したいのが、

分籍=親子関係の解消、ではない

ということ。
分籍をしても、親子関係そのものがなくなるわけではありません。

「戸籍を分ければ親から完全に縁を切れる」

というわけではないのですね。
また、戸籍を分けたことによって、親が戸籍関係の情報を一切取得できなくなるわけでもありません。

「親に戸籍を見られたくない」

という問題と

「親と同じ戸籍にいたくない」

という問題は、分けて考える必要があります。
戸籍を分けたからといって、それだけで親子関係がなくなるわけではないというのが現在の日本の民法です。

親と関わりたくない方にとって、戸籍そのものよりも切実なのが、

「引っ越した先の住所を親に知られたくない」

ということではないでしょうか。
せっかく親元から離れて暮らし始めたのに、

「今どこに住んでいるの?」
「今度そっちに行くから」

などと言われてしまったら、落ち着いて生活することができません。
そのためには、物理的に距離を置くことだけでなく、住所や連絡先をどう管理するかも大切です。
たとえば、

・親に新住所を教えない
・親族や共通の知人にも住所を教えないよう根回しをする
・SNSに住所や生活圏が分かる情報を載せない
・電話番号やメールアドレスを変更する
・必要に応じてLINEやSNSをブロックする

などです。

「そんなことまでしないといけないのか…」

と、自分の人生に絶望するかもしれません。
でも、親から離れて安心して暮らすために必要なのであれば、やっていいのです。
平穏な生活は、自分で作ることができます。

また、
「親に住所を知られたくない」
という場合、一定の要件を満たせば、住民票の写しや戸籍の附票などについて、相手方からの交付請求を制限する「支援措置」を利用できる場合があります。
ただし、

「毒親だから申請すれば閲覧制限できる」

という単純な制度ではなく、支援措置の対象となるかどうかは、自治体が個別に確認・判断します。
そのため、

「親と仲が悪いから」
「親に住所を知られたくないから」

というだけで、必ず利用できるとは限りません。
一方で、DVやストーカー行為、児童虐待の被害者など、一定の条件を満たす場合には、こうした制度が重要な意味を持ちます。
自分の場合は対象になるのだろうか、とご不安な場合には、まず自治体の窓口に相談してみることをおすすめします。

「親なんだから、一度くらいは会って説明しなきゃ」
「今まで育ててもらったのだから、連絡くらいは返さないと…」

と優しいあなたは考えてしまうかもしれません。
でも、親との連絡によって精神的に追い詰められてしまうのであれば、連絡を一切断つという選択もあります。

・電話に出ない
・LINEを返さない
・ブロックする
・メールアドレスを変更する
・SNSのアカウントを非公開にする

こういった行動に、罪悪感を持つ必要はありません。
もちろん、親に「今後は連絡を取りません」と伝えてから関係を断つ方法もあります。
ただ、相手が逆上する可能性があるなど、伝えること自体が危険な場合には、無理に直接伝える必要はありません。

「きちんと話し合ってからでないと縁を切ってはいけない」

という決まりがあるわけではありませんので、そこは自分の自由意思で選んで良いのです。

そして、意外と盲点になるのが、親族や知人から情報が伝わってしまうケースです。

「お母さん(お父さん)には内緒にしてね」

と伝えていたのに、悪気なく、

「そういえば、○○ちゃん今、○○に住んでるよ」

などと、ポロッと伝えられてしまうこともあります。
そのため、本当に住所を知られたくないのであれば、

「親には住所や連絡先を伝えないでください」

と、必要な人にははっきりお願いしておくことも大切です。
むしろ、不必要に教えることもないですよね。
自分の住所や連絡先を教える相手は、自分自身で決めていいことです。
後ろめたさを感じる必要はありません。
自分と平穏な生活を守るためですから。

ここまで読んで、

「でも、うちの親は家まで来ます」
「職場に押しかけてきます」
「何度ブロックしても連絡してきます」

という方もいるかもしれません。
もし、暴力、脅迫、待ち伏せ、つきまとい、自宅への押しかけなど、身の危険を感じるような状況であれば、これは単なる「親子関係の問題」ではありません。
安全を確保することを最優先にして、警察や自治体など、必要な機関へ相談しましょう。

では、行政書士である私に、何かお手伝いできることはあるのでしょうか。
「親と縁を切りたい」というご相談を受けたとき、私はまず、
「何に困っているのか」
を整理することから始めます。

・親と同じ戸籍なのが嫌
・住所を知られたくない
・連絡を取ってほしくない、取りたくない
・親が亡くなったときの相続が心配
・自分が亡くなったときに親に財産を渡したくない

同じ「毒親と縁を切りたい」というご相談でも、お困りごとは人それぞれです。

戸籍について知りたいのであれば、分籍をすると何が変わるのか、何が変わらないのかを整理します。
住所を知られたくないのであれば、住民票や戸籍の附票など、どのような制度が関係するのかを一緒に確認します。
支援措置については、制度の内容や手続きについてご案内しますし、必要があれば役所への同行なども行います(※同行の場合は別途費用をいただきます)。
そして、将来の相続や遺言について心配がある場合には、行政書士として相続・遺言のご相談をお受けいたします。

ただし、先ほども言った通り、親から暴力を受けている、ストーカー行為をされている、脅迫されているなど、身の危険がある場合には、私ではなく、まず警察や専門機関へのご相談をおすすめします。
残念ながら、行政書士という仕事でできることには限界がありますので…
その方にとって必要なところにつなぐことも、私の仕事だと思っています。

親子であるという法律上の関係を、自分の意思だけで消すことはできません。
しかし、

「親子なのだから、何をされても我慢しなければならない」

ということはありませんよね。
物理的な距離を取り、必要な制度を利用し、親に自分の情報が伝わらないようにする。
そして、危険があれば、専門機関に相談する。
そうやって、自分の生活を守るための境界線を作ることは、今からでもできます。

私自身、幼少期から10代まではずっと、「母から逃げたい」と思っていました。
母のいない世界に行きたい、というよりも、私が私らしくいられる世界で生きたい!という気持ちが強かったのだと思います。
そして実際に家を出て、自分で新しい家庭を作ろうとしましたが、見事に失敗しました。
しかし、その経験が今の私を生かし、様々な選択肢があることを教えてくれたのだと思います。

「親と縁を切りたい」と思ったとき、大切なのは、親子関係そのものを消すことだけではありません。
自分が安心して、平穏な生活を取り戻すこと。
そのために何ができるのかを、ひとつずつ考えていけばいいんじゃないかな〜と思います。

最後になりますが、行政書士として、相続手続きや遺言書の作成のお手伝いをしていると、大なり小なり各家庭の問題というものに直面します。
家族というのは人間関係の最小単位です。
そこが歪なままだと、相続の際にも色んな問題が出てきます。

・家族だから仲良くしなければならない
・親だから大切にしなければならない
・兄弟なのだから助け合わなければならない

私たちは、そんな「家族はこうあるべき」という価値観を、知らず知らずのうちに持っています。
でも、家族だからといって、必ずしも一緒にいることが正解とは限りません。
一緒にいることで傷つけ合ってしまうのであれば、距離を置くことだって、立派な選択肢です。

そして、家族関係に問題を抱えたまま相続を迎えると、そこで初めて問題が表面化することもあります。

・親が亡くなったらどうしよう
・相続のときに親族と関わらなければならないのが怖い
・自分が亡くなったとき、親に財産を渡したくない

そんな不安についても、事前に整理しておくことはできます。
家族だからこそ、早めに準備しておいたほうがいいこともあります。
そういう「家族の困った」を一緒に整理するのも、行政書士である私の仕事のひとつだと思っています。

行政書士シオン法務事務所では、複雑なご事情があるご家族の相続手続きや、遺言書の作成にも対応しています。
じっくりとお話をうかがい、ご相談者様に寄り添ったご提案をさせていただきます。
よかったら、お話聞かせてくださいね。

ではまた!

行政書士 大川

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