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【養育費】既婚者との間に生まれた子どもの養育費|認知しない代わりに払ってもらうことはできる?

ど〜も!行政書士の大川です。

今回は少し複雑なケースについて考えてみました。
あくまでフィクションであり、ちょっと極端な話ですが、既婚者との間に子どもができたとします。

相手には家庭があり、それを壊したいわけではない。
子どものためにも認知をしてほしいけれど、戸籍に残るので相手の妻にバレてしまうかも…
そうなったら慰謝料を請求されるかも知れない。
でも、子どものことを考えると、養育費はきちんと払ってほしい。

妊娠中の心身ともに不安定な状態のなか、色んなことが頭の中を巡ることでしょう。
何が正解なのかわかりません。

不倫という過ちを犯してしまった後ろめたさ。
エコーに映る子どもの顔にどこか垣間見る、愛した人の面影。
相手の家庭を壊したいわけじゃない。
でもこの子のことを守りたい。
(出来れば慰謝料も払いたくない………)

とても難しい問題ですね。
ここでは、不倫そのものについての倫理観は一旦置いておいて、生まれてきた子どもの養育費をどう確保するかという点から考えてみます。

まず大事なのは、養育費は母親自身が受け取る慰謝料のようなお金ではない、ということです。
養育費は、子どもを育てるために必要な費用であり、子どものためのものです。
父母には子どもの生活を支える責務があります。
そのため、

「認知をしない代わりに養育費を払ってください」

という話をする場合にも、単純に大人同士の金銭のやり取りとして考えるのではなく、子どもの利益を第一に考える必要があります。
実際には、

「認知すると妻に知られてしまう可能性があり、お互いに不利益があるので認知はしない。その代わり、毎月○万円を養育費として支払う」

という合意をすることもあるかも知れません。

ただし、ここには大きな注意点があります。
母親と父親が「認知しない」と約束したからといって、子ども自身の権利までなくなるわけではありません。
父親が任意に認知しない場合でも、子、その直系卑属またはこれらの法定代理人は、認知の訴えを提起することができます。

認知がされれば、法律上の親子関係が生じます。
つまり、

「私は認知を求めません」

という母親側の約束だけで、将来にわたって子どもの権利を封じ込めることはできません。

また、認知をしない状態では、父親との法律上の親子関係が成立していないため、養育費を請求・回収する場面でも問題が生じる可能性があります。
そして、将来の相続にも影響します。
言葉を選ばずに言えば、「逃げられたら終わり」です。

だからこそ、
「認知しない代わりに養育費を払ってもらえばいい」
と簡単に考えないことが重要です。

それでも当事者間で、

「認知はしない。ただし、父親として子どもの養育費を毎月支払う」

という話になったのであれば、少なくとも口約束だけにはしないことをおすすめします。
金額、支払日、支払期間、振込先などを具体的に決めて、公正証書にしておきましょう。
公正証書を作成する場合には、

「毎月○万円を、○年○月まで支払う」

といった具体的な内容を定めます。
さらに、一定の要件を満たす公正証書にしておけば、支払いが滞った場合に強制執行を利用できるようにしておくこともできます。
実際に裁判所も、養育費について公正証書を債務名義とした差押えの手続を案内しています。

債権執行手続(養育費等に基づく差押え)で使う書式(請求債権目録) | 裁判所
↑↑裁判所の差押え案内↑↑

「毎月ちゃんと払うから大丈夫」
ではなく、払われなくなったときにどうするかまで考えておくことが大切です。

では相手が、
「公正証書までは作りたくない」
と言った場合、どうしましょう?

ここが難しいところです。
毎月の支払いを約束してもらうこと自体が難しくなる可能性があります。
そこで、

「それなら、将来受け取る分も含めて一括で支払ってもらう」

という方法を考えることもあるかも知れません。
養育費を一括払いにするという合意を交わすことになりますね。
これは、毎月の支払いが途中で止まるリスクを考えれば、ひとつの選択肢ではあります。

ただし、ここにも注意が必要です。
子どもの将来の養育費を、母親と父親だけの合意で完全に放棄・清算できるとは限りません。
子どもの成長や進学、病気、大きな怪我や事故などによって必要な費用が変わることもあります。
そのため、「一括でもらったから、これですべて終了」と単純に考えるのではなく、何のお金として、どの期間について、どのような合意をするのかを慎重に整理する必要があります。

そして、一括払いにする場合も、口約束ではなく、金額や支払時期、対象となる期間などを書面に残しておくことが重要です。

そしてもうひとつ、忘れてはいけない大切なことがあります。

「認知しなければ、相手の妻から慰謝料を請求されない」

というわけではないということです。
認知の問題と、不貞行為による慰謝料の問題は別の問題です。
そのため、「認知しないこと」と「妻から慰謝料請求を受けないこと」をセットで考えない、ということが大変重要になってきます。

既婚者との間に子どもが生まれた場合、当事者だけでなく、そこには一人の子どもがいます。
大人同士の事情から、

「認知はしない」
「毎月これだけ払う」
「一括で払って終わりにする」

と決めたとしても、そのことによって子どもの権利までなくなるわけではありません。
だからこそ、こうしたケースでは、

①認知をどうするのか
②養育費をいくら、いつまで支払うのか
③支払いが止まった場合にどうするのか
④一括払いにする場合、その金銭をどのように位置付けるのか
⑤相手の妻から慰謝料請求を受けるリスクをどう考えるのか

を一つずつ整理する必要があります。

「相手に家庭があるから、できるだけ穏便に済ませたい」

という気持ちは当然あると思います。
だからこそ、目の前のトラブルを避けることだけではなく、子どもが将来困らないかたちになっているかを考えて、合意の内容を決めることが大切です。

行政書士シオン法務事務所では、養育費に関する公正証書作成サポートを承っております。

・ご事情があり未婚で出産される方
・相手がきちんと養育費を支払ってくれるか心配な方
・子どものためにも書面に残しておきたい方

行政書士として、ひとりの女性として、一児の母として、ご提案できることはたくさんあるかと思います。
些細なことでも結構です。
お気軽にご相談ください。

ではまた!

行政書士 大川

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