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【離婚・相続】離婚届を出した翌日に元夫が亡くなったら…|財産分与を後回しにするリスク

ど〜も!行政書士の大川です。

私は名古屋市中川区で、相続手続きや遺言書作成、離婚協議書の作成などのご相談をお受けしています。

私は色んな事例パターンを想像し、こういう場合どうなるんだろう?どうしたらいいんだろう?というのを考えるのが好きです。
もともと創作活動をしていたこともあり、想像力は他の方より豊かな自信がちょっとだけあります。

今回はちょっとドキッとするお話です。
30年ほど連れ添った夫婦が、話し合いの末に離婚することになりました。
夫婦に子どもはおらず、自宅は持ち家で夫の名義になっています。
離婚届は無事に提出したものの、妻の引っ越し先はまだ決まっていません。

特にいがみ合って離婚に至ったということではないので、財産分与については、これからゆっくり話し合おうということになっていました。
そのため、離婚後もしばらくは同じ家で生活することに…

ところが、離婚届を提出した翌日、元夫が突然亡くなってしまったのです。

昨日まで夫婦だったふたり。
亡くなる直前まで同じ家で暮らしていて、家の中には元妻の荷物もそのまま残っています。
さて、この場合、元夫の財産はどうなるのでしょうか?

※今回のお話は、法律上の問題をわかりやすく説明するための架空の事例です。

まず、離婚が成立した時点で、元妻は元夫の相続人ではなくなります。
たとえ30年間連れ添っていたとしても、離婚した翌日であっても、法律上はもう配偶者ではありません。
今回は元夫の両親もすでに亡くなっているとしましょう。

元夫には遠方に住む弟がひとりいます。
そうなると、元夫の財産を相続するのは弟ということになり、元夫名義の預貯金も、自宅も、原則として相続人である弟が相続することになります。
元妻は昨日までその家で暮らしていたにもかかわらず、相続人という立場で預貯金の解約手続きをすることはできません。
なお、元夫は遺言書も作成していなかったものとします。

では、今住んでいる家はどうなるのでしょうか?

離婚後も住み続けるという取り決めがあったのか、家の所有権は誰にあるのかなど、個別の事情によって変わりますが、少なくとも長年住んでいたという理由だけで、当然に自分のものになるわけではありません。
元夫名義の家に長年妻として一緒に住んでいたとしても、離婚成立後に元夫が亡くなっていれば元妻に相続権はありません。

ここで、もうひとつ大きな問題があります。
そう、財産分与です。

財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に協力して築いた財産を、離婚に伴って分け合うことです。
たとえば、夫名義の預貯金であっても、婚姻期間中に夫婦で協力して築いたものであれば、財産分与の対象になることがあります。
妻が専業主婦だったからといって、財産分与を受けられないわけではありません。
今回の元妻も、長年家事を担いながら夫婦の生活を支えてきました。

ところが、財産分与については何も決めないまま離婚してしまったのです。

通常、財産分与は離婚後に請求することもできます。

2026年4月1日以降に離婚した場合、家庭裁判所に財産分与を申し立てることができる期間は、原則として離婚から5年間です。
それなら、元夫が亡くなったあとでも財産分与を請求すればいいのでは?と思いますよね。
しかし、ここが難しいところで…

財産分与の内容が決まる前に相手が亡くなってしまった場合、話はそう簡単ではありません。
すでに財産分与について合意が成立していた場合と、何も決めていなかった場合とでは、法律上の扱いが異なります。
特に、財産分与の請求すらしていなかった場合には、元夫の相続人に対して当然に請求できるとは限りません。
元夫の弟に「長年夫婦だったんだから、財産を半分ください」と言えば済む話ではないのです。

この夫婦がなぜ離婚に至ったのかは知る由もありませんが…
「離婚」することを第一にを考えていて、財産のことを後回しにしてしまった結果、思いがけない問題につながってしまいました。
まさか翌日に元夫が亡くなるなんて、誰も想像していなかったでしょう。

しかし、人生は何が起こるかわかりません。
事実は小説より奇なり、といいますが、どれだけピンピンしていても明日この世からいなくなってしまう、ということは有り得ます。

私は、離婚を決めたときには、できる限り財産分与などの取り決めを済ませてから離婚届を提出することをおすすめしています。

・預貯金はどのように分けるのか
・今住んでいる家はどうするのか
・住宅ローンが残っている場合はどうするのか
・退職金や年金分割についてはどう考えるのか

こうしたことを話し合い、離婚協議書や離婚公正証書などの書面に残しておくことが大切です。

もちろん、書面を作成しただけで全てが解決するわけではありません。
可能であれば、お金の支払いや不動産の名義変更など、実際の手続きまで終わらせておくと、より安心ですね。
ゴールを「離婚」そのものに設定するのではなく、「それぞれが新しく生活を始める」にしておくと、何かあったときの準備がしやすいかな〜と思います。

※ただし、DVなどの事情があり、早急に離婚や避難をする必要がある場合は、安全の確保を優先してください。

離婚届は紙一枚で提出できますが、その紙一枚によって、法律上の夫婦関係は大きく変わります。
昨日まで当たり前だったことが、今日からは当たり前ではなくなってしまうのです。

今回は少し極端な例かもしれませんが、離婚後の生活について考えるきっかけになれば幸いです。

行政書士シオン法務事務所では、離婚協議書や離婚公正証書の作成に関するご相談をお受けしています。

・離婚することは決めたけれど、何を取り決めておけばいいのかわからない
・財産分与について、どのように書面に残せばいいのかわからない

そんなときは、お気軽にご相談ください。
これから別々の人生を歩んでいくからこそ、お互いが安心して新しい生活を始められるよう、準備をしておきたいですね。

ではまた!

行政書士 大川

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