
【相続】夫の死後に発覚した二重生活|認知された子どもと遺産相続
ど〜も!行政書士の大川です。 私は名古屋市中川区で、相続手続きや遺言書作成、離婚協議書の作成などのご相談をお受けしています。 私の父は、私が2歳のときに母と離婚をし、その後行方が分からなくなりました。私が父の死を知ったの […]

ど〜も!行政書士の大川です。
私は名古屋市中川区で、相続手続きや遺言書作成、離婚協議書の作成などのご相談をお受けしています。
私の父は、私が2歳のときに母と離婚をし、その後行方が分からなくなりました。
私が父の死を知ったのは、母が亡くなったあとです。
父は今どうしているんだろう?という純粋な疑問から父の戸籍を取得し、平成24年に北海道で亡くなっていたことを知りました。
正直にお話すると、私はひとりっ子で育ったため、父の戸籍の中にもしかしたら私が知らないきょうだいがいるかも……
という期待が少しだけありました。
私が知らない血縁がこの日本のどこかにあるのかも…というちょっとしたワクワクです。
実際そのような事態が起きたとしても、必要な手続きなどがなければ一生交わることはないだろう、と今なら思います。
それでも、自分と同じ遺伝子を持っている人間が自分の子ども以外にいる、というのはなんとなく心強いものです。
確認するまですごくドキドキしましたが、父の戸籍には、母との離婚後に再婚した記録も、子どもを認知した記録もありませんでした。
若干の肩透かしをくらいつつも、安堵したことを覚えています。
私は日頃から、こんなことが起こったらどうなるんだろう?ということを色々と想像するのが好きです。
私の場合は、知らないきょうだいがいるかもしれないことに少し期待していましたが、これが別の立場だったらどうでしょうか。
たとえば、長年連れ添った夫が亡くなり、少しずつ気持ちを整理しながら相続手続きを進めようと夫の戸籍を集めてみたところ、認知した子どもがいることが分かった場合。
夫は、妻の知らないところで別の女性との間に生まれた子どもを認知していました。
妻が夫の携帯電話を確認してみると、そこには別の女性との親密なやり取りや、家族のように過ごしている写真がたくさん残されています。
どうやら夫は、長年にわたって二重生活を送っていたようです。
さて、このような場合、夫の相続はどうなるのでしょうか?
※今回のお話は、法律上の問題を分かりやすく説明するための架空の事例です。

まず、結論から申し上げますと、認知された子どもにも相続権があります。
「認知」とは、婚姻関係にない男女の間に生まれた子どもについて、法律上の親子関係を成立させる制度です。
そして、認知された子どもと、婚姻中に生まれた子どもの法定相続分は同じです。
たとえば夫が亡くなり、相続人が妻、妻との間に生まれた子ども1人、別の女性との間に生まれて認知された子ども1人だったとします。
この場合の法定相続分は、
妻 2分の1
妻との子ども 4分の1
認知された子ども 4分の1
となります。
妻がその子どもの存在をまったく知らなかったとしても、相続権がなくなるわけではありません。
また、遺言書がない場合には、原則として認知された子どもも含めた相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。
妻としては、夫の知らない顔が発覚しただけでも大変なショックなのに、さらに見知らぬ子どもと相続について話し合わなければならないなんて…
まさか自分の人生にこんなことが起こるとは……とびっくりしてしまいますよね。

では、夫が生前に
「預貯金は妻に、不動産は妻との子どもに相続させる」
という内容の遺言書を残していた場合はどうでしょうか。
この場合、原則として遺言書の内容に従って相続手続きを進めることになります。
しかし、ここで問題になるのが「遺留分」です。
遺留分とは、一定の相続人に法律で保障されている、最低限の遺産取得に関する権利のことです。
認知された子どもにも、この遺留分があります。
仮に、夫の相続財産が4,000万円だったとしましょう。
相続人が先ほどの3人で、遺留分を計算するうえで特別な事情がなければ、認知された子どもの遺留分は500万円となります。
(計算式)
4,000万円×法定相続分(4分の1)×遺留分割合(2分の1)=500万円
つまり、遺言書によって財産を取得できなかったとしても、妻や妻との子どもに対して、遺留分に相当する金銭の支払いを請求できる可能性があるのです。
なお、遺留分は自動的に支払われるものではなく、権利を持つ人が請求する必要があります。
遺留分侵害額請求は、原則として相続の開始と遺留分を侵害する遺言などがあったことを知った時から1年以内に行う必要があります。
また、相続開始から10年が経過した場合も請求できなくなるため、注意が必要です。
ここで、もう一つ気になることがあります。
夫が亡くなってから不貞行為が発覚した場合、妻は相手の女性に慰謝料を請求できるのか?という問題です。
この点については、不貞行為の証拠や時効など、確認しなければならないことがあります。
夫の死後に不貞行為を知った場合でも、一定の条件を満たせば慰謝料を請求できる可能性はあります。
また、慰謝料と子どもの相続権は別の問題です。
仮に相手女性への慰謝料請求が認められたとしても、その子どもの相続分や遺留分が減るわけではありません。
子ども自身には、両親の事情について責任はありませんので…
なお、慰謝料請求や遺留分をめぐって争いが生じた場合には、弁護士に相談することになります。

今回のような事例は少し極端かもしれませんが、相続手続きのために戸籍を集めてみたところ、ご家族が知らなかった事実が判明することは結構あります。
亡くなった方に過去の婚姻歴があったり、前の配偶者との間に子どもがいたり、今回のように認知した子どもがいたり…
相続手続きというと、預貯金や不動産などの財産を調べることを思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、その前に大切なのが「誰が相続人なのか」を正確に確認することです。
そのため、相続手続きでは原則として亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を確認していきます。
行政書士は、こうした戸籍の収集や相続人調査、法定相続情報一覧図の作成、争いのない遺産分割協議書の作成などをお手伝いすることができます。
ご家族だからといって、亡くなった方の人生をすべて知っているとは限りません。
思いがけない事実が判明することもあるからこそ、相続手続きはひとつひとつ丁寧に進めていきたいですね。
行政書士シオン法務事務所では、相続人調査や戸籍収集、相続財産調査、遺産分割協議書の作成、預貯金の解約手続きなど、相続に関する各種手続きをお手伝いしています。
・何から始めたらいいのか分からない
・戸籍を集めるのが大変そう
・相続手続きをまとめてお願いしたい
そんなときは、お気軽にご相談くださいね。
ではまた!
行政書士 大川

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