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【終活】「幸せな老後」は人それぞれ|母を見送って考えた、親の生き方と終活

ど〜も!行政書士の大川です。

今回は(今回も?)、個人的な話を書いてみようと思います。
テーマは「親の幸せって何だろう?」です。

私の母は、63歳のときに仕事を完全に辞めました。
当時の家族構成は、私(30代前半)、娘(小学校高学年)、母、猫1匹です。

私は22歳で離婚後、母と一緒に生活していました。
私がメインで働いて家計を支え、まだ幼かった娘の面倒を母に見てもらう生活。
当時は母も若かったため、夜間の工場でパートとして働き、自分の小遣いを稼いでいました。
しかし、60代になってからは腰や膝が痛いと訴え、体力的にもつらそうだったので退職を勧めました。

それまで母は、パートとはいえずっと働いていたので、
「これからは時間もあるし、色々出掛けたり好きなことをしてくれるといいな〜」
と思ったことを覚えています。

母は、最初こそ「ここに行ってみたい」と要望を伝えてくれて、私が休みの日などに一緒に出掛けたりしていました。
しかし、母はなぜかその頃急にKpopアイドルにハマりまして…
それからはずっと家にいて、YouTubeを観る日々を満喫していたように思います。

母が良いならそれで良いか〜!

と私も思っていたものの、せっかく老後の時間ができたことだし、行きたい場所や会いたい人がいないか尋ねてみたりもしたのですが、
「疲れるから……」
と断られました。

それでいいのか老後!?

しかし、母の人生ですし、私は好きなようにしてもらうことにしました。

母はもともと人間関係を維持するのがあまり得意ではなく、大勢でワイワイするより、ひとりで家でマイペースに過ごすほうが好き。
今考えると、ちゃんと「私の母」だな〜という感じです。
私も退職後に娘から

「誰かと旅行でも行ったら?」

と言われても、多分行かないだろうな…と思います。
だから、母にとっては「家でYouTubeを観ながら推しと過ごす時間」も、大切な老後の時間だったのですね。

母は感情の起伏が激しい人でもあったので、突然
「老人性のうつかも知れない…」
と言い出して一日中寝ていたり、
「明日から豊橋に行ってくるわ!」
と母の妹のもとへ、ひとりで電車に乗って遊びに行ったりもしていました。

そして、年齢を重ねるにつれ外出する機会も減っていき、70歳で肺癌のステージ4であることが発覚。
その後も母のペースで推し活を楽しみ、最期は推しの曲を聴きながら眠るように亡くなりました。

母の「老後」と言われる時間は短いものでしたが、それなりに楽しく過ごしていたように思います。
世間一般の「老後の暮らし」という固定観念を大きく覆し、とても母らしく生きてくれました。

そんな母を見ていたからこそ、今になって思うことがあります。

「親にとっての幸せって、何なんだろう?」

子どもの立場からすると、親には元気でいてほしい。
せっかく仕事を辞めたのだから、旅行に行ったりしてこれまでできなかった経験をしてほしい。
友達と食事をしたり、趣味を楽しんだり、いろんなところに出掛けたりして、充実した老後を送ってほしい。

私は母が仕事を辞めたとき、多分ぼんやりとそんなことを考えていました。

でも、それはあくまで「私が思う幸せな老後」であり、「母がやりたいこと」ではなかったのです。
家で好きなYouTubeを観て、推しの曲を聴いて、気が向いたときには妹に会いに豊橋まで出掛ける。
母にとっては、それで十分だったのかもしれません。
「もっといろんなことをしたほうがいいんじゃない?」
と、子どもが勝手に心配する必要はなかったのだと思います。

もちろん、本当に何もしたくなくなってしまっているのであれば、体調や心の状態を心配する必要はあります。
とはいえ、元気なのに家にいるのが好きな人もいますし、人付き合いが苦手な人もいます。
旅行などであちこち出掛けるより、自分の家で好きなことをしているほうが幸せな人もいます(私もこのタイプです)。

そう考えると、「幸せな老後」というものに決まったかたちなどはなく、本人以外があれこれ決めるものでもありませんよね。

そしてこれは、終活について考えるときにも、同じことが言えるのではないでしょうか。
終活のご相談では、ご本人ではなく、お子さんから相談を受けることがあります。

「親が高齢になってきたので、そろそろ遺言を書いてほしい」
「相続で揉めないように準備しておいてほしい」
「介護が必要になったときのことを決めておいてほしい」

どれも、親のことを思っているからこその言葉だと思います。
ただ、終活は「子どもが親の人生を整えてあげること」ではありません。

残りの人生をどう生きたいのか。
どこで暮らしたいのか。
介護が必要になったらどうしてほしいのか。
誰に何を残したいのか。
最期はどうやって見送ってほしいのか。

そういったことを、まずは本人に聞いてみることが大切なのではないかと思います。
「こうした方がいいよ」と子どもが答えを用意するのではなく、

「お母さん(お父さん)はどうしたい?」

と聞く。
もしかすると、想像とは全然違う答えが返ってくるかもしれません。
私の母のように、

「別に旅行なんて行きたくないし、会いたい人もいない。家で推しを観ていたい」

という答えが返ってくる可能性もあります。

それでいいのか老後!?と子は思ったりしますが、それでいいんですよね。
本人が幸せなら……

親が元気なうちにしか聞けないことというのは、たくさんあります。

「何かやりたいことはある?」
「何をしているときが一番楽しい?」
「もし介護が必要になったら、どうしてほしい?」
「最後はどこで過ごしたい?」
「お葬式はどうしたい?」
「財産はどうやって分けてほしい?」

こういう話は、元気なうちでなければなかなか聞けません。
しかし、いきなりこういった話を切り出すのも難しいですよね。
日々のコミュニケーションの積み重ねが必要です。

そして、こういった話をすることも終活のひとつです。
遺言書も、その延長にあるものです。

遺言書というと、「亡くなったあとの財産の分け方を決めるもの」というイメージが強いかもしれません。
もちろん、それも大切です。
でも、遺言を書くということは、

「自分は何を大切にして生きてきたのか」
「最後に誰に何を残したいのか」

を、親自身が考えることでもあります。

親の幸せを、子どもが決めることはできません。
だからこそ、元気なうちに本人の言葉を聞いて、その希望をできるだけ尊重する。
それが、私が母との時間を振り返って思う、終活の大切なところなのかもしれません。

ちなみに母が最後に聴いていたのは、ずっと好きだったBTSの曲でした。
「最後まで推し活してたな〜」
と、今でも少し笑ってしまいます。


そして、母は肺癌が発覚してから、

「葬式もしなくていいよ!直葬でいいから」

と言っていました。
そのため、亡くなった病院から一番近い家族葬のホールで、出棺前に1時間だけ母と対面し、花を添えて見送りました。
BGMはもちろんBTSメドレーです。
最後まで自分の好きなものに囲まれた、とても母らしい人生のゴールの仕方だったと思います。

これから終活を考える方には、「何を準備するか」だけではなく、「自分はどうしたいのか」を考える時間を持っていただきたいと思っています。
親にとっての幸せが何なのかは、親にしかわかりません。
だからこそ、

「お母さん(お父さん)は、これからどうしたい?」

と聞くことから、終活を始めてみてもいいのではないでしょうか。
そして、

終活といっても具体的に何をすれば良いのかわからない。
遺言書を作りたいけれど、何を書けばいいのかわからない。
親に終活をしてほしいけれど、どう話を切り出したらいいのかわからない。

そんなときは、まずはお話を聞かせてください。

行政書士シオン法務事務所では、遺言書の作成サポートをはじめ、終活に関するご相談をお受けしています。
「こんなことを相談してもいいのかな?」という段階でも大丈夫です。
一緒に、その人らしい終活のかたちを考えていきましょう。

ではまた!

行政書士 大川

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