
2026/09/14
【終活】「死んだら全部捨てて」と言われても…|母の死後に考えた「家族に伝えておきたいこと」
ど〜も!行政書士の大川です。 2024年3月、私の母は肺癌で亡くなりました。余命宣告を受けてからちょうど1年1ヶ月。長すぎず短すぎない準備期間を与えてくれたおかげで、私は前もって心の準備ができ、しっかりと母を見送ることが […]
2026/09/14

ど〜も!行政書士の大川です。
2024年3月、私の母は肺癌で亡くなりました。
余命宣告を受けてからちょうど1年1ヶ月。
長すぎず短すぎない準備期間を与えてくれたおかげで、私は前もって心の準備ができ、しっかりと母を見送ることができました。
母が救急搬送され、約1ヶ月の入院のあと、退院の日の車の中での話です。
母から、
「死んだあとのことは全部あんたに任せるわ。物も全部捨てていいからね」
と言われました。
私は一人っ子ですし、母の相続人は私ひとりです。
私の離婚後、私が借りた家に母とずっと一緒に住んでいたので、母の言いたいことはもちろん理解しましたが…
「全部」とは……と呆然としてしまったことを覚えています。
母はもともと綺麗好きな性格で、若い頃は部屋も整理整頓されていましたが、年齢を重ねるにつれて色々と億劫になっていったのでしょう。
とにかく物が多く、どこに何が入っているのか本人もよくわかっていない状態でした。
そんな母がこれからいなくなり、その後の後片付けを私ひとりで行わなければならない。
その現実に、目の前がクラクラしたことを覚えています。

母は昔から買い物が大好きな人でした。
最後の入院の前には「GUに行きたい」と言い、家から一番近いGUに母と娘を連れて行きました。
母はおしゃれをすることや流行を追いかけることも大好きだったので、GUがお気に入りだったのですね。
それまでもよく母とGUに出かけていました。
母と最後にGUに行った日のことは、きっと一生忘れることはありません。
あれもこれもと次々に洋服をカゴに入れ、なんと総額5万円を超えるお買い上げ……!(GUで!?)
両手いっぱいの新品の洋服は、帰宅後、母の部屋に広げられ、母はとても満足そうにしていました。
きっと、母が「死ぬまでにやりたかったこと」のひとつに「思いっきり買い物をしたい!」が入っていたのだと思います。
それを叶えることができたのは、母が自分の意思をきちんと伝えてくれたからではないでしょうか。
しかし、その後急速に母には認知障害が出始め、立っていられないほど足腰も弱ってしまい、入院となりました。
そして、一般病棟から緩和ケア病棟に移り、そのまま最期を迎えました。
母の最後の入院のあと、私は途方に暮れました。
この部屋に積み上げられた新品の洋服たち、一体どうしたらいいん…?
母と私の好みは全く違いますし、当時高校生だった娘の趣味ともちょっと違います。
この先母がこの家に帰って来ることはないだろうな…とぼんやり思いつつ、タグが付いているものはフリマサイトで手放したり、家で着たりしました。
それでも万が一、めちゃめちゃ元気になって帰ってきたら悲しむだろうな…という気持ちもあり、全部を処分することは躊躇われました。
そういった経緯もあり、母が亡くなったあと、
「全部捨てていいからね」
という言葉の通り、私は物を捨てまくりました。
写真やノートなどは手元に残しておくことを決めましたが、それ以外のものはほぼ処分した気がします。
私が何でもかんでもポイポイ捨ててしまうので、娘に「捨てすぎ!」と怒られたこともありました。
中には娘が母(娘にとっての祖母)にプレゼントした洋服もいくつかあったからです。
娘には申し訳ないことをしてしまいましたが……
その後、母の部屋は少しずつ物が減っていき、最終的にはその家を引っ越す際に不用品回収業者に全部引き取ってもらいました。
今は、3人で暮らしていたときよりもコンパクトになった部屋で、なるべく物を増やさないように生活しています。
たくさんの物を処分したからといって、母との思い出まで一緒に消えてしまったわけではありません。
むしろ、母がいなくなったあとに残ったものを見ていると、物そのものよりも、その物にまつわる記憶のほうが強く残っているような気がします。

そして、娘に「捨てすぎ」と怒られたことを思い出すと、もう一つ気づくことがあります。
物の価値は、その物を持っている本人だけが決めるものではない、ということです。
私にとっては「母が残した洋服」でも、娘にとっては「自分でプレゼントした祖母の服」。
私が「これはもう使わないから捨てよう」と思ったものを、娘は「これは残しておきたかった」と思っていた。
そのときは
「しまった〜!言ってくれれば……」
と思いましたが、そもそも娘からすれば、私がそんなに勢いよく捨てているとは思っていなかったのかもしれません。
これは、遺品整理に限った話ではないと思います。
自分にとっては何でもないものが、家族にとっては大切なものかもしれない。
反対に、自分が「これは大事」と思っているものが、家族にとっては「何でこれ取ってあるの?」ということもある。
つまり、「死んだあとのことは全部任せる」というのは、残された家族にとっては自由である一方で、ある意味ではかなり大きな仕事を丸ごと渡すことでもあります。
もちろん、私の母のように「全部任せる」という考え方が悪いとは思いません。
実際、私は母に任せてもらったからこそ、自分の判断で整理することができました。
ただ、母の死後に大量の物を整理した経験から、私は自分自身のことを少し考えるようになりました。
「私が死んだあと、娘にどうしてほしいのか?」
私は、生きている人間の生活が第一だと思っているので、売ってお金になるものは換金して生活の足しにしてほしいし、不要なものは全部処分してもらってかまいません。
その「全部処分」で私はかなり苦労したため、娘になるべく迷惑をかけないよう、必要最低限の物だけで生活したいな…という希望があります。
「物を残すこと」と「何かを残すこと」は、別の話です。
形のある物はいつか壊れますし、なくなる可能性もゼロではありません。
私の物がなくなっても、娘の記憶の中に少しでも私という存在が残っていれば、それで十分だと思っています。
むしろ、娘の人生なので全部忘れちゃってもいい、とすら思います。
元気に生きていてくれるだけで十分です。
そして、今は物だけではありません。
スマートフォンやPCの中には、写真や動画、メール、SNS、ネット上のサービスなど、本人がいなくなったあとに家族がどうしたらいいのか分からないものがたくさんあります。
「何を残して、何を処分してほしいのか」
「どこに何があるのか」
「誰に何を渡したいのか」
こうしたことも、元気なうちに少しでも整理しておけば、残された家族の負担を減らせることがあります。
もちろん、何もかも完璧に整理しておく必要はありません。
自分が亡くなったあとまで、家の中を完璧に整えておくというのはなかなか難しいです。
それでも、
「私が死んだらこうしてほしい」
という自分なりの希望を、一度くらい考えておく。
自分がこの世を離れたあとに何を残すのか。
そして、何を残さなくてもいいのか。
それを整理しておくことも、終活のひとつなのではないでしょうか。
行政書士シオン法務事務所では、遺言書作成サポートをはじめとする終活支援を行っています。
・子どもになるべく迷惑をかけたくない
・親が元気なうちにどうしたいのか教えてほしい
そんな親と子、双方の気持ちに寄り添いながら、一緒に整理していきます。
些細なことでも結構ですので、お気軽にご相談くださいね。
ではまた!
行政書士 大川

2026/09/14
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