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【家族関係】「家族だから仲良くしなければならない」という呪い|話し合うことと距離を取ること

ど〜も!行政書士の大川です。

私は、親子でも夫婦でも、もちろん友人、知人、お仕事の付き合い、すべての人間関係において、円満な関係を築くためには「言葉」が大切だと思っています。

家族だから、言わなくても分かる。
長く一緒にいるんだから、これくらい察してほしい。
わざわざ言葉にしなくても伝わっているはず。

………残念ながら、そう簡単にはいきません。

家族であっても、別々の人間です。
私は、自分以外の人間は全て「他人」だと思いながら生きています。
だから、約22年間ずっと同じ家で生活している娘の本当の気持ちはわかりません。
自分が産んだ娘であっても、自分とは全く別の個体です。
考えていることも、大切にしていることも、これからどうしたいと思っているかも違います。

一番近い「子」という存在でさえそうなのだから、夫婦になればそれ以上に、家族以外の人間であればもっともっとわかりません。

親だから、夫だから、私の気持ちを100%わかってくれる。

そんなことはありません。
エスパーじゃないので……
それに近い気持ちを想像することはできても、答え合わせをするためには結局「言葉」が必要です。

だからこそ、ちゃんと話す。
言語ありきのコミュニケーションというのは、家族関係においてとても大切なことだと思います。

たとえば、親子やきょうだいなら、

「これから進学や就職をどうしたい?」
「親に何かあったときはどうする?」
「介護が必要になったらどうしよう?」

夫婦なら、

「これからどんな暮らしをしたい?」
「老後はどうする?」
「お金のこと、どう考えている?」

そんな話を、何か問題が起きてからではなく、普段から会話の中に自然に取り込んでおくことは、色んなメリットがあります。

別に「家族会議を開催します!」と構える必要はありません。
一緒にご飯を食べながら、休日にお茶を飲みながら、世間話の延長で、

「最近どう?」
「何か困っていることない?」
「変わったことなかった?」

そんなところから始めていけば、お互いに自然な流れで気持ちを話しやすくなるのでは…と思います。
実際に話してみると、

「えっ、そんなこと考えてたの?」

ということ、結構あります。
人間は社会性のある生き物なので、家族という社会の最少単位であっても、お互いのことを気遣ったり、心配かけまいと取り繕ったりする人がいます。
それはとても素敵なことなのですが、いったん「相手は本当はどう思っているんだろう?」というところにフォーカスを当ててみてください。
そのなかで、

「私はこう思っていたんだけど、あなたは違うんだね」

という確認ができることもあります。
これが分かるだけでも、かなり大きな収穫です。

行政書士として相続や遺言書作成、離婚協議書作成の仕事をしていると、家族間で話し合っておくことの大切さを感じる場面がたくさんあります。

親子、きょうだい間であれば、

「長男が親の面倒を見ると思っていた」
「この家は私がもらうものだと思っていた」
「介護はきょうだいみんなで協力すると思っていた」
「親もこの分け方で納得していると思っていた」

夫婦間であれば、

「子どもには絶対にピアノ(野球)をやらせたい」
「夫が稼いできたお金はすべて家族のためにつかうお金だと思っていた」
「義理の親の面倒はそれぞれが見るものだと思っていた」

そういう認識があっても不思議ではありません。

ところが、実際にその時になってみたら、全員の考えが全然違っていた。
そして、それが原因で、関係が悪い方向へ進んでしまった。

必ずしも、もともと仲が悪かった、ということではないのだと思います。
離れて暮らすなかで考え方が変わったり、逆に一緒に暮らしてから相手の価値観を知ったりしていくなかで、少しずつボタンの掛け違えが起きてしまった。
それは、きちんと話をして、自分の感情や価値観の共有をして来なかったことがひとつの原因ではないかな〜と思います。

最初は小さなことでも、長い年月をかけて大きな溝ができてしまうこともあります。
だからこそ、相続や介護、お金のことなど、少し話しにくいことほど、定期的に話しておくことには意味があります。

そして、話し合った結果、
「これはちゃんと書面にしておいたほうがいいかも」
となれば、遺言書や契約書など、具体的な形にしておく。
私は行政書士として、その「具体的な形にするところ」のお手伝いをしています。

さいごに…
ここまで、家族は話し合うことが大切ですよ、という話をしてきました。
ただ、ここでひとつ、どうしても言っておきたいことがあります。
それは、

「親子だからといって、必ずしも相性がいいわけではない」

ということです。
夫婦も同じで、家族になったからといって、何でも分かり合えるようになるわけではありません。

何を話しても否定される。
こちらが話し合おうとしても、一方的に責められる。
何度歩み寄っても、結局いつも傷つけられる。

悲しいかな、そういう関係もあります。
夫婦間に限ったことではありませんが、長い時間を過ごしていくうちに、「甘え」が生まれてしまうこともあります。
そんなときまで、

「家族なんだから仲良くしなければ」
「親なんだから大切にしなければ」
「きょうだいなんだから仲良くしなければ」
「子どものためにも我慢して夫婦の関係を続けなければ」

と自分を縛ってしまう必要はないと思います。
むしろ、その「家族だから」という言葉が、自分を苦しめてしまうことだってあります。
年を取った親やきょうだい、夫、妻の考え方をいきなり変えることは難しいですよね。

私は、「家族とは仲良くするもの」という考え方自体を否定するつもりはありません。
仲の良い家族は本当に素敵ですし、良いな〜、羨ましいな〜、うちもあんな親なら良かったのにな〜と思うこと、しょっちゅうあります。

でも、家族だからといって、必ずしもいつも一緒にいなければならない、仲良くしなければならない、というのは「呪い」だと思っています。
特に親子やきょうだい間では、環境の変化をきっかけに、それぞれの価値観が大きく変わることも珍しくありません。
変わってしまったお互いの価値観を、あえて否定し合う必要はありませんよね。

頻繁に連絡を取らなくてもいい。
必要なときだけ話せばいい。
最低限必要な連絡事項は定期的に共有しておこう、くらいで問題ありません。

私は、話し合うことの目的は、必ずしも「仲良くなること」ではないと思っています。
相手がどういう人間なのかを知り、そのうえでどう付き合っていくのかを考えることも、コミュニケーションの大切な役割です。

話し合って関係を良くできるのであれば、話し合えばいいですし、それでも難しいのであれば、距離を取る。
同じ家族でも、適度な距離を取ったほうがお互い穏やかに過ごせることもあります。

夫婦であれば、別居や離婚の道を選ぶ。
それも、自分と家族を守るための一つの方法です。

「仲良くすること」と「大切にすること」は、必ずしも同じではありません。
何でも話せる親子もいれば、必要なことだけ話す親子もいる。
いつも一緒にいる夫婦もいれば、それぞれの時間を大切にする夫婦もいる。

家族のかたちに、正解はありません。
大切なのは、「家族ならこうあるべき」という形に無理やり当てはめることではないのではないでしょうか。

言いたいことは、ちゃんと言葉にする。
大事なことは、元気なうちに話しておく。
必要であれば、遺言書や契約書などに残しておく。
そして、どうしても合わない相手とは、無理をせず適切な距離を取る。

家族だからこそ、話し合う。
でも、家族だからこそ、無理をしない。

私は、そのくらいの距離感がちょうどいいのではないかなと思っています。

行政書士シオン法務事務所では、相続手続き、遺言書作成、離婚協議書作成など、家族に関わるさまざまな書類作成のお手伝いをしています。

「家族で話し合ったけれど、どうやって書面にしたらいいか分からない」
「将来のために、今のうちに準備しておきたい」
「自分たちの希望を、きちんと書面に残しておきたい」

そんなご不安、ご要望にお応えします。
些細なことでも結構ですので、いつでもお声掛けくださいね。

ではまた!

行政書士 大川

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